【初診時の歯並び】
治療前の写真を見ると分かるように、上下の歯が中央にかけて前に突出していることもあり下唇が上唇より前に出ています。
口元が盛り上がっているように見える「口ゴボ」に関する症例です。
【治療経過】
上の歯は4番、下の歯は5番の歯を抜歯し、まずは歯が移動できるスペースを確保します。マイクロインプラント(※)を上顎に2箇所埋入し、マイクロインプラントを支点にゴムを引っ掛け、前歯を後ろに移動させます。ゴムは透明なのでほとんど見えないかと思います。
今回は、マイクロインプラントを使用することで、臼歯(奥歯)が前に出ないようにしました。
※マイクロインプラントについては、以下の特集記事をご覧ください。
>>【特集】マイクロインプラントと口ゴボ–矯正治療に使うマイクロインプラントとは?
治療後の歯ぐきをご覧ください。マイクロインプラントを埋入した跡はほとんどわかりません。
【横顔の比較】
治療前の口元と治療後を比較すると、鼻から顎のラインにかけて口ゴボの状態が改善された事がわかるかと思います。横顔の印象も変わりました。
上記のような横顔の悩み(口ゴボ)に関するお問合せが増えていますが、治療方法は患者様によって異なるのでけっして1通りではありません。よろしければ他の症例ブログもご覧いただき、矯正治療を検討する上でのきっかけにつながれば幸いです。
わからないことや不安なことは遠慮なくご相談ください。
●主訴
笑うと前歯2本が大きく目立つ。口元が前に突き出ている状態が気になる。
●診断名あるいは主な症状
上下顎前突
●年齢
21歳11ヶ月
●治療に用いた主な装置
セラミックブラケット
●抜歯部位
上顎4番 下顎5番 計4本抜歯
●治療期間
約2年5ヶ月
●メンテナンス頻度
月1回
●治療費用(税抜)
約850,000円 ※料金改定前
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について(改訂)
日本矯正歯科専門医機関の規定により、当院では矯正治療を行う上で、リスクや副作用を明示しています。
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いですが個人差があります。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性がありますが、その場合には改めて治療期間のスケジュール作成等をいたします。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響することがあります。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。程度によっては、虫歯治療を優先します。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。その場合には装置の変更等を行います。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。保定装置とは>>
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。