【初診時の歯並び】

上下の歯が前に出ている状態(上下顎前突)により、口元が出っ張ってみえる「口ゴボ」の状態でした。

■口ゴボとは

専門用語ではないのですが、口元が前方に盛り上がったような見た目のことを指しています。

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■口ゴボの原因

主な原因は上顎の前突(出っ歯)にあります。上顎だけでなく上顎と下顎の両方が前に出ている場合もあります。

歯が前に出ている分、口を閉じた時に、鼻の下が長く見えたり、口先がEライン(下顎の突端部と鼻先を結ぶ線)よりも前に出ている状態になり、すっきりとしない口元を気にされる方も多いです。

アジア人にはこのような口元をしている方も多く、当院では口ゴボの治療に力を入れています。

 

<先天的な要因>

遺伝による骨格的な問題

関連ブログ】(遺伝は歯並びに影響するの?)

 

<後天的な要因>

指しゃぶりや舌癖、口呼吸などの習慣

【関連ブログ】

・歯並びを悪くする癖(口呼吸)

・歯並びを悪くする癖(舌突出)

・歯並びを悪くする癖(指しゃぶり)

 

【治療経過】

下顎にブラケットを装着し、上顎にはII級・Ⅲ級治療装置(カリエール)を装着しました。

II級・Ⅲ級治療装置(カリエール)を使用し、大臼歯を後ろに下げることで前に出ている歯を後ろに下げるスペースを作ります。

 

上下左右4番を抜歯し、上顎にもブラケットを装着しました。

抜歯をし、歯を下げるスペースが更に確保されましたので、前に出ている歯を後ろに引いていきます。

 

●主訴
口元の出っ張りが気になる

●診断名あるいは主な症状
上下顎前突

●年齢
13歳0ヶ月

●治療に用いた主な装置
セルフライゲーションセラミックブラケット装置(デーモンクリア)

●抜歯部位
上下左右の4番抜歯

●治療期間
約3年5ヶ月

●メンテナンス頻度
月1回

●治療費用(税抜)
約800,000円(2022年8月時点)

 

 

●治療を行う上での注意点(リスク・副作用)

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について(改訂)

日本矯正歯科専門医機関の規定により、当院では矯正治療を行う上で、リスクや副作用を明示しています。

  1. 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いですが個人差があります。
  2. 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性がありますが、その場合には改めて治療期間のスケジュール作成等をいたします。
  3. 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響することがあります。
  4. 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。程度によっては、虫歯治療を優先します。
  5. 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  6. ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  7. ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  8. 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。その場合には装置の変更等を行います。
  9. 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  10. 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  11. 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  12. 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  13. 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  14. 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。保定装置とは>>
  15. 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  16. あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  17. 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  18. 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。