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コラム
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小児矯正を始める前に
子どもの矯正開始時期は歯並びの状態を見極めることが重要です。
小さいうちにできるだけ早急な治療を勧められるケースもありますが、
どちらが最適なのかは患者さんによります。
早く始めたほうがいいケースもあれば、時期を選択するケースもあります。
どちらが正しくて、どちらが間違っているか
ということではありません。
メリットとデメリットを考慮して、お子さんとご家族が納得した状態でいつから開始するかの違いと言えます。
登山で例えると、富士山に登る時に、五合目まで車で行く方と、裾野から登る方もいらっしゃいます。どちらも登山であることに変わりなく、最終的な目標は山に登ることです。どちらの登山が自分に適しているのか一緒に考えてみましょう。
早く治療を始めた方が良い場合とは
もちろん例外もあります。例えば、外傷性咬合(かみ合わせが悪くて口腔内が傷つくなど)の場合には、
早急に治療をした方が良いと思いますので、すぐに始めることをご提案しています。
必ずお読みください
いつから治療を
始めれば良いか
始める時期が早いほうが有利な面があるのは確かですが、
基本的にいつでも開始できるのが矯正治療です。
患者さんの中には、60歳で治療を開始される方もいらっしゃいます。
時間にゆとりがあり、ご本人が矯正したいと考え始める時期が適しているともいえます。
まずは小学校低学年でのご相談をおすすめします
一般的には9歳~10歳くらいには小児矯正を始める時期とされており、
確かにこの時期に始めるのが最適というお子さんもたくさんいます。
ただし全員に必ず当てはまるというわけではなく、ベストな治療開始時期は人によって異なります。
まずは小学校低学年くらいに一度、相談を受けて治療を始める時期を知っておいていただくと良いでしょう。
お子さん本人の意思を
大切に
親御さんから、お子さんの将来を心配してできるだけ
早く治療を受けさせたいというご相談をよくいただきます。
小児期に矯正治療を始めることで、成長期でないと
できない治療が可能になるなどのメリットがある場合があるからです。
しかし、お子さんご本人が納得した状態ではない場合にはおすすめはできません。
矯正治療をしたいかどうか、ご本人の意思も
大切にしたいと考えています。
親御さんがお子さんの歯並びが心配で、歯並びを揃えたいお気持ちはわかりますが、お子さんの気持ちが不在の治療は当院では行いません。お子さんが嫌な思いを抱えながら矯正治療を始めても途中で治療が中断してしまい、うまくいかないことが多いです。逆に幼少期に治療を中断されたお子さんが中高生に成長された後に、再度矯正治療を始めるケースもあります。その経験からも、ご本人がやりたいという気持ちで受けられたほうが良いかと思います。
お子さんのモチベーション
を高めるために
矯正治療は、「勉強しなくちゃいけない」「習い事をしなくちゃいけない」というのと同じように、
お子さんにとっては「しなくちゃいけないこと」であることがほとんどです。
ただし、将来お子さんが歯のことで悩まなくなるための、ご両親からのプレゼントという側面もあり、
将来のために…という意味では勉強も歯の矯正も同じなのかも知れません。
実際に、これまでに矯正治療を受けられた
お子さん達は、成長してから
親に感謝するようになった方がほとんどです。
お父さんお母さんは、嫌なことをさせているのではなく、お子さんのために
プレゼントをしているという気持ちをぜひお持ちください。
そして、良い教育を受けさせてあげるのと同様に、「後で嫌な思いをしないように」というお話をして、モチベーションを高めていきましょう。
矯正治療が必要かどうかの判断
矯正治療を必ず受けた方が良いと宣伝している医院もたくさんありますが、最終的に治療を受けるかどうかを決めるのは患者さんです。
もし、見た目も気にならず、しっかり噛めて話せているのであれば、無理に治療を受ける必要はありません。
ただし、何か気になることがあるのであれば、早めに治しておくことで、その後の人生が変わるというのも事実です。